01. 〜開演 opening〜 02. 青い真空管 (オキナワン フール オーケストラ編) 03. 潮時 04. 九十九転び百起き 05. Midnight Baseball Blues 〜屋富祖エレジー (やっと、もあいが取れたのに)〜 06. 〜休憩 interval〜 07. ミーファイユー 08. 五線紙の街 09. あとからな 10. 三線の花 11. うたのうた 12. 〜終演 ending〜
BEGINのアルバム、『オキナワン フール オーケストラ』。
オリジナルアルバムとしては『Ocean Line』 (2004) 以来、約2年半ぶりのリリースとなる作品です。
タイトルにある「フール」って、英語の"fool"のことだと思いこんでいたのですが、沖縄の方言で「豚小屋」を意味するのだそうな。つまり本作は、「沖縄の豚小屋楽団」の意。
ジャケットをよく見れば客席に豚がたくさんいるのも、それを聞けば納得です。
さて本アルバムの構成は、最初と最後に「開演」、「終演」、中間に「休憩」のSEやナレーションが入る、コンサートを意識したコンセプチュアルなもの。
一方で収録されている楽曲は沖縄で録音された手づくり感のある楽曲と、東京のスタジオで録音されたピシッとしたスタイルのものがおよそ半々、ボーカルも比嘉さんだけではなく他のお二人がメインをとった楽曲もあるなど、わりとまとまりのない、ごちゃっとした内容になっております。
が、雑然とした印象はなく、むしろBEGINの様々な面を見ることができる、興味深い作品となっています。
東京録音の楽曲は、「潮時」、「あとからな」、「うたのうた」、そして既発シングル、「三線の花」、「ミーファイユー」の5曲。
がっちりと練り込まれたアレンジを施され、またこれらのうち何曲かにはストリングスアレンジに萩田光雄氏を迎えるなど、2006年にリリースされた比嘉さんのソロアルバム、「とうさんか」にも通じるところのある、おだやかでしっとりとした気配の漂った安心して聴くことのできる仕上がり。
沖縄録音の楽曲は、ある意味ではなんでもアリの、わいわいがやがやと楽しくつくられたのだろうなぁと思わせる楽曲となっています。
中でも、飲み会の風景をだじゃれっぽく綴った宴会ソングとして始まり、途中でお囃子が入ったりカントリーっぽくなったりと姿を変えつつ、最後はエコーをド派手に効かせた演歌で終わる「Midnight Baseball Blues 〜屋富祖エレジー(やっと、もあいが取れたのに)〜」は、まさになんでもアリな沖縄録音の楽曲を代表させるにふさわしい1曲かと。ちょっと気恥ずかしくなるところもあるけれど、それも含めて、聴いていると理屈抜きで楽しいです。
彼らのアルバムはもともと、キチンとJ-POP然としたもの、ライブの雰囲気を色濃く出したもの、そして沖縄音楽を大きくフィーチャーしたものなどバラエティに富んではいますが、これだけ様々な要素が入った作品は初めて。
彼らも大部分を肩肘はらず、自由につくりあげたのであろうこのアルバム、聴くほうも肩の力を抜いて、ただただ楽しく聴くことのできる作品となっていました。
posted by BONGO at 07:30|
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