01. その手をつないで 02. KISS & CRY 03. 私のカルテ 04. ココロ銀河 05. 熱情 06. 青い鳥 07. 輝く道 08. 夏だより 09. Cosmic Girl 10. 風待草 〜かぜまちぐさ〜 11. また、明日 12. おねがい太陽 〜夏のキセキ〜 (album mix)
渡辺美里が約1年7ヶ月ぶりにリリースしたアルバム、『ココロ銀河』。
前作 は、デビュー20周年を迎えた彼女が新たな一歩を踏み出すにふさわしい華やかな仕上がりであったわけですが、それに対し本作は、とても地味なアルバムだな、との第一印象を持ってしまいました。
彼女の作品ではいつも気になる作家陣も、ぼくとしては、本作にも収録されているシングル、「青い鳥」 (2006) で初顔合わせとなった川村結花さんが同曲を含め3曲を提供している点を注目したくらいで、ほかにも伊秩弘将さん、斎藤有太さん、有賀啓雄さんらが楽曲提供を行っていますが、伊秩さんはシングル曲のみだし、斎藤さんはキーボーディストとしては数々のアーティストと共演してカッコイイ演奏を聴かせてくれてはいるものの作曲家としてはよくわからないし、有賀さんはアレだし、ほかにも2人が作曲していますが、すみませんぼくが知らない人だしで、豪華な布陣で挑んだ前作と比べると、やはり失速してしまったかなとか、感じざるをえませんでした。
が、それでも何回か繰り返し聴いていると、いつの間にか感想は一転。
たしかに地味で、つい前作と比較してしまったがゆえに落胆してしまい気づかなかったのですが、本作はシングル、「その手をつないで」 (2007) で感じた、彼女の強さとやさしさを併せ持つような包容力のある熟成したボーカルがアルバム全体をまとめあげている、上質な作品でありました。
またアレンジはこれまでと同様、有賀さんがメインで彼らしい野暮ったさが覆うものの、渡辺善太郎さんが彼女の作品では初めてアレンジャーとして3曲に参加しているからか、あるいは有賀さんアレンジの曲で屋敷豪太さんがドラムをつとめているからか、その色は薄まったようにも感じ、ややクリアな音になっているところも、またよさげであります。
収録曲では、川村結花さんによる、しっとりとした和風な響きに癒される「ココロ銀河」、最後から2曲目に収録され、実質的なラストともとれるせつなげなメロディのミドルテンポな「また、明日」(ラストの「おねがい太陽 〜夏のキセキ〜」はボーナストラックっぽく聴こえるので)、斎藤有太さんによる静かに熱いスローな楽曲、「熱情」あたりがとりわけ耳に残り、気に入りました。
川村さんはSMAPの「夜空ノムコウ」を作曲された方なのでもちろん名前は知っていたのだけれど、よいメロディを書く人だなと再認識。「青い鳥」よりもここに挙げた2曲のほうが好きだったり。
斎藤さんのほうは1曲しか書かれていないので未知数なところはありますが、すごくグッとくる曲でした。この曲は美里さんのボーカルがすごく立っているってところも、好きな理由のひとつではありますが。
そしてそのほかについても、捨て曲はほとんどナシ、でありました。
聴く機会があったなら、とりあえず5回くらいは聴いてみてほしい、スルメ的な味わいのアルバムでした。
posted by BONGO at 22:05|
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渡辺美里
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