2007年11月17日

ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜/Dreams Come True

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ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~
中村正人 DREAMS COME TRUE 吉田美和

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01. ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜 02. 未来予想図 〜VERSION '07〜 03. 未来予想図II  〜VERSION '07〜

 Dreams Come Trueのシングル、「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」。
 彼女たちの楽曲、「 未来予想図 」 ( 1991 )、「 未来予想図II 」 ( 1989 ) をモチーフにつくられた映画、「未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」の主題歌であるこの曲は、グッとくるメロディラインを持った、静かな中にも力強さを感じさせるバラード。
 かなり質の高い仕上がりで、ふつうに聴いていればとてもグッとくるものはあるのですが、ただ、あまりにベタなタイトルと、容易に「未来予想図」シリーズを思い起こさせる歌詞のフレーズは、どうにもひっかかるところ。

 また、アルバム曲でありながら名曲として長年、定着している「未来予想図」、「未来予想図II」と比べたとき、それらを超えている、あるいは肩を並べているかと言われると、どうでしょう。
 この曲もすごくイイんですが、これまでの「未来予想図」たちがすばらしすぎたあまり、どうしても厳しい感想を、持ってしまいます。

 なおカップリングには、その「未来予想図」、「未来予想図II」のニューバージョンを収録。
 音がクリアになっているのはもちろん、今の彼女が歌うこれらの曲は、オリジナルよりも深みをずっと増した、快心の出来。アレンジがシンプルなのもまたよく、こちらは必聴です。


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静寂の場所/大江千里

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静寂の場所静寂の場所
大江千里 村山達哉

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01. 静寂の場所 02. PARADISE

 大江千里のシングル、「静寂の場所」。
 自身が主演された映画、「 WHITE MEXICO 」の挿入歌であるこのシングルは、歌モノとしてはアルバム、『 ゴーストライター 』 (2005) 以来、2年5ヶ月ぶりの作品。
 ちなみにシングルとしては、「 イコール 」 (2002) 以来、なんと5年ぶりのリリースになります。

 さてこの「静寂の場所」は、ストリングスとピアノだけで進行するバラード。
 荘厳ささえ感じさせるくらい重厚な雰囲気を持つ楽曲で、今までの彼の作品には見られなかった空気がここには流れています。
 ここまで重々しいととっつきにくくなることもままあることですが、メロディはしっかりと耳なじみのよいものになっているのは、さすがです。
 ボーカルも、キーが低めに抑えられているので、映画館で流れたときにファン以外の人がどう思われるかは別として、ぼくとしてはまったく問題ナシでありました。いい曲です。

 カップリングの「PARADISE」は一転して、ぽわぽわした打ち込み中心のアレンジが施された楽曲。
 2分半ほどの長さで、オマケめいたその佇まいはとてもカップリング的と感じるとともに、アルバム、『 ROOM 802 』 (1998) あたりを思い出しました。


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2007年11月16日

はっきり もっと 勇敢になって/岡村靖幸

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はっきりもっと勇敢になってはっきりもっと勇敢になって
岡村靖幸

ユニバーサル シグマ 2007-09-05
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01. はっきり もっと 勇敢になって 02. 嵐の気分(着替えを持って全裸のままで) 03. N☆baby 04. 黒のオベーション
岡村靖幸 - はっきりもっと勇敢になって - EP

 岡村靖幸のシングル、「はっきり もっと 勇敢になって」。
 例の事件後、初となるこのシングルは、実に約3年ぶりとなる新曲。

 随所にストリングスを交えたゴージャスなアレンジが印象深いこの曲は、岡村ちゃんらしからぬ爽快感を持つポップでアップテンポな作品。
 そしてその曲を力いっぱい歌い上げる岡村ちゃんはのボーカルは、猛烈に反省の意を表すとともに、歌えることの喜びをかみしめているようにも聴こえます。
 ボーカルはまだまだ苦しげだけれど、彼の二度と過ちは繰り返さない、って決意は、じゅうぶんに伝わります。

 歌詞が優等生すぎて歯切れの悪さを感じなくもないのですが、曲自体はがっつりと盛り上がれる快作でありました。

 2曲目は、ドロドロした気配の「嵐の気分(着替えを持って全裸のままで)」。
 がなってしまっているボーカルが残念ではあるけれど、まだ仕方がないのかな、と。
 でも、この奇妙なグルーブ感、岡村ちゃんにならではの味は、とても出ています。

 3、4曲目には2004年に行われたライブの即興的プレイを収録。
 楽しげなライブの様子は感じられるものの、復帰作に事件前の音源を持ってこなくても、とか思ったのですが、いかがでしょう。


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2007年11月10日

GREEN DAYS/槇原敬之

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GREEN DAYSGREEN DAYS
槇原敬之 NORIYUKI MAKIHARA

エイベックス・エンタテインメント 2007-08-15
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01. GREEN DAYS 02. どんなときも。'07
槇原敬之 - GREEN DAYS - Single

 槇原敬之のシングル、「GREEN DAYS」。
 実に約1年半ぶりとなるこのシングルは、avexへの移籍第1弾となる作品。
 ほんとにマッキーは移籍が多いですねぇ。かれこれもう、4回目・・・。

 と、それはさておき本作は、疾走感のあるアップテンポな一曲。
 ここ数年の彼のシングルは、どこか影があったり、説教臭かったり、あるいはアップテンポな曲でも空元気っぽい感じがしたり、どこか、んっ?と思うところがあったのだけれど、この曲はひさしぶりに、オーソドックスなポップスとして仕上げられています。

 そしてただポップなだけではなく、佐橋佳幸さんによる太い音色のギターが与える安定感がアクセントとなって、この曲の存在感をさらに色濃いものにしており、どこからみても快作!といえる出来でありました。
 何度も繰り返して聴きたくなる作品です。

 カップリングには、あの「 どんなときも。 」 (1991) をニューテイクで。
 今のマッキーの声で聴くこの曲、ライブ盤に収録されているバージョンはあるけれど、きちっとレコーディングされているものも、イイです。
 アレンジはピコポコしていて、ぼくはちょっとアレですが。


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M☆A☆G☆I☆C/久保田利伸 meets KREVA

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M☆A☆G☆I☆CM☆A☆G☆I☆C
森大輔 柿崎洋一郎 久保田利伸

ソニーレコード 2007-08-08
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01. M☆A☆G☆I☆C 02. Cymbals'07 -JAM MASTERSIX-

 久保田利伸とKREVAが「久保田利伸 meets KREVA」名義で発表したシングル、「M☆A☆G☆I☆C」。
 KREVAさんといえば、今年6月にスピッツの草野マサムネさんとコラボレーションした「 くればいいのに 」が記憶に新しいところですが、本作はユニット名からすると久保田さんが主っぽい、ということでチェックしてみました。

 このシングル、トラックはカッコよくてすごくアガれるのですが、これはやはり、KREVAさんありき、の楽曲かと。
 久保田さんのボーカルはもちろんすばらしく、ビシっとキマってはいるものの、ただちょっとクールすぎて、演奏の一部であるかのようにも聴けてしまうのは、なんとももどかしく感じます。
 ゆえにKREVAさんとの絡みも希薄に感じられるところであり、ライブでの彼らがコラボしているところを動画で見たことがあって、そのときはがっつりと絡んでいただけに、本作の仕上がりは、よけい残念に思われるところでありました。

 カップリングには、「 Cymbals 」 (1997) のニューテイクを収録。
 極めて少ない音数と、久保田さん自身によるコーラスが多めに収録されているのが特徴。
 バリエーションのひとつとしては、アリでしょう。


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グレイテスト・ヒッツ/スキマスイッチ

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グレイテスト・ヒッツグレイテスト・ヒッツ
スキマスイッチ

BMG JAPAN 2007-08-01
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01. view 02. 君の話 03. 奏 (かなで) 04. ふれて未来を 05. 冬の口笛 06. 全力少年 07. 雨待ち風 08. キレイだ 09. 飲みに来ないか 10. ボクノート 11. ガラナ 12. スフィアの羽根 13. アカツキの詩 14. 惑星タイマー 15 マリンスノウ
スキマスイッチ - グレイテスト・ヒッツ

 スキマスイッチ初のベストアルバム、『グレイテスト・ヒッツ』。
 これまでリリースしてきたシングルのA面(両A面扱いを含む)全曲と、アルバム、『 空創(くうそう)クリップ 』 (2005) 収録の、w-inds.への提供曲、「キレイだ」のセルフカバーとCMソングに起用された「飲みに来ないか」、そして福耳用に書かれた「惑星タイマー」のセルフカバーの未発表テイクを加えた全15曲で構成されています。

 さて、ぼくが彼らの音楽を聴き始めたのはアルバム、『空創(くうそう)クリップ』からで、それ以前の曲ときっちり向き合うのは初めてだったのですが、「view」とか「奏 (かなで)」とか、デビュー後、間もないアーティストとしては、その前にキャリアを積んでいたというのがあったとしても、あまりにクォリティが高くてびっくりでした。

 また、彼らのシングルを中心にまとめて聴いてみると、ブレイクのきっかけとなった「全力少年」前後の楽曲が持つ力というのはすごいものがある、と改めて認識しました。
 すごくポップだし、バラードでもボーカルとかアレンジとかの直接耳にする部分ではなく、佇まいがとても、パワフルと感じました。

 一方で、直近の「アカツキの詩」や「マリンスノウ」は、華やかさの面では先述の曲たちに及ばないけれど、聴き込むほどに味の出る作品で、これはこれで、彼らの新しい魅力でありましょう。

 タイトルがすごく安直だとか、選曲に商業的なニオイがけっこうするとかはあるのだけれど、ポップスが好きな人にはぜひともチェックしておいていただきたいアルバムでありました。
 きっと気に入ってもらえると思います。


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ここから未来へ/BEGIN

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ここから未来へここから未来へ
BEGIN

インペリアルレコード 2007-07-25
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01. ここから未来へ 02. 青のまま 03. アレグレット

 BEGINのシングル、「ここから未来へ」。
 ここ最近、彼らの音楽で特徴的となってきているストリングスを大きくフィーチャーした大人げなアレンジと、あたたかみのあるメロディ、ボーカルが印象的な作品です。

 もともとは比嘉さんのソロアルバム、「 とうさんか 」 (2006) から始まったこのスタイル、ソロならではのものかと思っていたらBEGINの曲にまで波及してきて、ソロとバンドとのわかりやすい違いみたいなものがなくなりつつあるのですがそれはさておき、イイものはイイです。
 なにげない日常を優しげな視点で描いた詞とも相まって、とてもほっこりとした気持ちになれる一曲でありました。

 2曲目は、ギターの島袋さんがリードボーカルをつとめる「青のまま」。
 素朴な味わいが全面に出た、ほほえましい楽曲です。
 アルバム、『 オキナワン フール オーケストラ 』 (2007) で初めてそのボーカルを披露した島袋さん、再び。

 3曲目の「アレグレット」は、インスト。
 上地さんのアコーディオンが全体を引っ張る、オリエンタルな佇まいの作品であります。

 カップリングにも目を向けますと、それぞれの曲でそれぞれのメンバーがリードをとる、珍しい格好のシングルとなっておりました。


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マリンスノウ/スキマスイッチ

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マリンスノウ(DVD付)マリンスノウ(DVD付)
スキマスイッチ 常田真太郎 大橋卓弥

BMG JAPAN 2007-07-11
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01. マリンスノウ 02. 回想目盛 (かいそうめもり) 03. ノウムの調べ <instrumental>
スキマスイッチ - マリンスノウ - EP

 スキマスイッチのシングル、「マリンスノウ」。
 アルバム、『 夕風ブレンド 』 (2006) のリリース後、初となる音源は、キレイなバラード。
 彼ららしいほどよくゴージャスなアレンジと、せつなげなボーカル、メロディが印象的。
 一聴した限りでは地味にも思えますが、聴き込むほどによくなってゆくスルメ的味わいを持つ楽曲です。
 このシングルのあとすぐに出たベストアルバムにいきなり収録されてしまったのは惜しいところで、オリジナルアルバムのいい場所に置いてあげたら、より光りそうな曲なのではと感じました。

 カップリングの「回想目盛 (かいそうめもり)」は、軽快なポップス。
 CMソングに使われておりますが、この軽さは、いいとか悪いとかって意味ではなくて、カップリング向けかと。

 そしてもう1曲、彼らのシングルではおなじみの、シンプルなインストが収録されております。


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2007年11月06日

binary engine/access

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access

ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ 2007-07-04
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01. Awake 02. closet 03. Life goes on 04. Wild in the desert 05. SUMMER NIGHT BREEZER 06. biologic engine (Instrumental) 07. Gone too Soon 08. Shadow over the world 09. High and Scream 10. 瞳ノ翼 〜binary version

 今年1月、ミニアルバム『 diamond cycle 』(すみません、未聴です)でCDのリリース活動を再開したaccessが、オリジナルフルアルバムとしては『 Rippin' GHOST 』 (2003) 以来、約4年5ヶ月ぶりに発表した作品です。

 ひさしぶりに彼らの作品にまとめて触れる機会を得て、ドキドキしながら聴きはじめると、そこには一貫して変わらない、野太いエレクトリカルなサウンドがありました。
 すなわちアルバムの大半を占めるのは、「Life goes on」、「SUMMER NIGHT BREEZER」、「瞳ノ翼」など、ぶりぶりにアップテンポな曲たち。オーソドックスなaccessらしさで、デビュー当時と変わらないスタイルは、目新しさこそないもののやはりアガってしまいます。
 一方、ささやき気味なボーカルが印象的な「CLOSET」やレゲエじゃないのにレゲエっぽい「Gone too Soon」などを散りばめることで、アルバムにメリハリがついています。

 中でも、唯一のバラード、「Shadow over the world」は、必聴の出来。
 彼らのつくるスローな曲といえば、シングル、「 TRY AGAIN 」 (1993) あたりが代表的ですが、ものすごい無機質さに満ちていて、その手の曲を聴いてしばしば感じられる、「グッとくるもの」がまったくなかったのだけれど、この曲での貴水さんのボーカルはとても暖かみがあり、彼らの、というか貴水さんの新しい一面を見ることができます。ちょっとびっくりしました。

 全10曲というコンパクトな構成の中で、アップテンポな曲の比率が高くて曲順とかの面でまとまりのなさを感じなくもないですが、これまでの彼ららしさを壊すことなく、結成15年を経てもなお、新しい部分もかいま見せる作品となっていました。
 先行シングルがなく、地味に思えるかもしれないですが、聴いていて飽きのこない良作と言えましょう。


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2007年10月16日

ココロ銀河/渡辺美里

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ココロ銀河ココロ銀河
有賀啓雄 高橋利光 渡辺善太郎

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01. その手をつないで 02. KISS & CRY 03. 私のカルテ 04. ココロ銀河 05. 熱情 06. 青い鳥 07. 輝く道 08. 夏だより 09. Cosmic Girl 10. 風待草 〜かぜまちぐさ〜 11. また、明日 12. おねがい太陽 〜夏のキセキ〜 (album mix)

 渡辺美里が約1年7ヶ月ぶりにリリースしたアルバム、『ココロ銀河』。
 前作 は、デビュー20周年を迎えた彼女が新たな一歩を踏み出すにふさわしい華やかな仕上がりであったわけですが、それに対し本作は、とても地味なアルバムだな、との第一印象を持ってしまいました。

 彼女の作品ではいつも気になる作家陣も、ぼくとしては、本作にも収録されているシングル、「青い鳥」 (2006) で初顔合わせとなった川村結花さんが同曲を含め3曲を提供している点を注目したくらいで、ほかにも伊秩弘将さん、斎藤有太さん、有賀啓雄さんらが楽曲提供を行っていますが、伊秩さんはシングル曲のみだし、斎藤さんはキーボーディストとしては数々のアーティストと共演してカッコイイ演奏を聴かせてくれてはいるものの作曲家としてはよくわからないし、有賀さんはアレだし、ほかにも2人が作曲していますが、すみませんぼくが知らない人だしで、豪華な布陣で挑んだ前作と比べると、やはり失速してしまったかなとか、感じざるをえませんでした。

 が、それでも何回か繰り返し聴いていると、いつの間にか感想は一転。
 たしかに地味で、つい前作と比較してしまったがゆえに落胆してしまい気づかなかったのですが、本作はシングル、「その手をつないで」 (2007) で感じた、彼女の強さとやさしさを併せ持つような包容力のある熟成したボーカルがアルバム全体をまとめあげている、上質な作品でありました。
 またアレンジはこれまでと同様、有賀さんがメインで彼らしい野暮ったさが覆うものの、渡辺善太郎さんが彼女の作品では初めてアレンジャーとして3曲に参加しているからか、あるいは有賀さんアレンジの曲で屋敷豪太さんがドラムをつとめているからか、その色は薄まったようにも感じ、ややクリアな音になっているところも、またよさげであります。

 収録曲では、川村結花さんによる、しっとりとした和風な響きに癒される「ココロ銀河」、最後から2曲目に収録され、実質的なラストともとれるせつなげなメロディのミドルテンポな「また、明日」(ラストの「おねがい太陽 〜夏のキセキ〜」はボーナストラックっぽく聴こえるので)、斎藤有太さんによる静かに熱いスローな楽曲、「熱情」あたりがとりわけ耳に残り、気に入りました。
 川村さんはSMAPの「夜空ノムコウ」を作曲された方なのでもちろん名前は知っていたのだけれど、よいメロディを書く人だなと再認識。「青い鳥」よりもここに挙げた2曲のほうが好きだったり。
 斎藤さんのほうは1曲しか書かれていないので未知数なところはありますが、すごくグッとくる曲でした。この曲は美里さんのボーカルがすごく立っているってところも、好きな理由のひとつではありますが。
 そしてそのほかについても、捨て曲はほとんどナシ、でありました。

 聴く機会があったなら、とりあえず5回くらいは聴いてみてほしい、スルメ的な味わいのアルバムでした。


posted by BONGO at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 渡辺美里 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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